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みっちゃん [不思議な話し]

私の拙い文章にお付き合いしていただきまして、ありがとうございます。

しかかまるん語を勝手に作って自分だけ理解してたり、そんな言葉はなかったり(今更判明)日本語は難しいですね。


この話も中学生の時の話しです。

中学二年生の時に、みっちゃんと言う名前の女の子が転校して来ました。

あの時代は転校生なんてザラだし、転校して来たと思ったらまた転校して居なくなってしまうのが当たり前の日常風景でした。

せわしなく人生の一期一会に涙した余韻もなく、「いつかまた、会えるかもしれないね」と叶わない言葉で自分に言い聞かせて友を送り出す。

親の事情に振り回され、楽しかった想い出だけを糧にして日々大人になって行く中、息つくとふと思い出す。


みっちゃんは顔が面長でそばかすが可愛らしく、笑うと目がなくなります。

真面目でスポーツも出来てバトミントン部で頑張っていました。

そして、とても頭がよく優しい子でした。

みっちゃん曰く、親の職業の都合上何回も転校を繰り返していて前のクラスメイトに凄く意地悪なこともされたみたいです。

最初、相手の様子を伺う顔をして笑顔が引きつっていました。

私は

「よろしく!なんとなく気が合うね~(笑)しかかまるんだよ~もう一人の仲の良い友達と漢字は違うけど

名前が同じなんだよ!」

「大丈夫だよ!3人で友達になろう~」

青春のほんの一瞬の時を友達として楽しい時間を過ごさせてもらいました。


みっちゃん「しかかまるんは、たまに大人みたいに凄く的を得た事をいうんだよね~」

「みんな知らないんだよ」

私「バカだからじゃない(笑)」「親に言われすぎてめんどいから流してる~」

みっちゃんは真剣な顔で「私はそうは思わない」

私「みっちゃんがそう思ってくれるだけでいいよっ!ありがとう!」



中学二年生の三学期にみっちゃんは家庭の事情でまた転校して行ってしまいました。

みっちゃんは湿らせた瞳で「しかかまるん、ありがとう。」

私の心の中は(親の都合で子供は振り回されるんだよ・・・泣)

「元気でね!みっちゃんと友達になれて楽しかったよ。ありがとう。」

胸が詰まり言葉が出てこない私達は手を握り合ってお互いの顔を忘れない様に見ていました。


青春の月日は流れます。


中学を卒業してから、みっちゃんから突然、電話が掛かってきました。

少し無言になってから「しかかまるん?」

「みっちゃん?」

みっちゃん「私の事覚えてる?、何回も電話したんだけど電話が通じなくて」

私「親がおかしいから電話線切っちゃったんだよ」

お互いの安否を確かめ合いお互いの暗黙の了解の元に、それ以上言わなくても私達なら分かる会話をしました。

みっちゃん「Yちゃん変な宗教入ってた」

私「親が入ってると良いも悪いもないんだと思う。」

みっちゃん「転校先でしかかまるんが一番優しくしてくれたんだよ!本当に感謝しているんだよ」

「それが言いたくて電話したんだ。」

私「私の方こそ私の事理解してくれる人はいなかった。みっちゃんだけだよ」

みっちゃん「私、しかかまるんに言ってない事がある」

・・・・・・・・

「私、日本人じゃない」


私「そんなん関係ない~みっちゃんはみっちゃんだよ」

いつの間にかみっちゃんが○○人か当てるゲームになっていました。

とめどなく会話が続きました。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

最後に「事情があってもう電話できない」とみっちゃんから言われたのが最後に聞いた声でした。


みっちゃんごめんなさい。

本当はアジア人なら見当がつく。分かっていたけど、もっとバカなふりした。

誰かに知られたらヤバイでしょ?野生の勘で警告が鳴ったんだよ。

国名が昔も今も衝撃的なんだもん。

だってその国にはルールなんかないんでしょう。
一般の人は食べる物もないんでしょ。

みっちゃんも粛清されているかもしれないと不安になりました。



あの電話から何か月か経った後、みっちゃんから差出人の住所が無い返信出来ないハガキが一通届きました。


「しかかまるんがこのハガキを見る頃には私は飛行機に乗っています」


飛行機が飛んでいる手書きの絵が添えてありました。


あなたが何処にいるか分かるすべはありません。

みっちゃんのことを最近すごく思い出します。

心配したり思い出すのは私が歳をとったからなのでしょうか?


みっちゃんの笑顔が脳裏に焼き付いています。


元気ですか?・・・・

届かない言葉ですが・・・みっちゃんの事を想っています。



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