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世間は狭い [近所話]

いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。

気ままに書いていますのでご了承くださいませ。


私の家の近くに運動公園があり、何年か前にウォーキングがてら一時毎朝通っていました。

公園には色んな人が来ていました。

犬の散歩をしていて犬がトイレをするとドクタースランプアラレちゃん(昔のアニメ)の様にそこら辺の小枝を拾って犬の○○○を枝にさして木の根元に置いて行く人、私はその人のことを密かにアラレちゃんと呼んでいました。

ああっ今日も突き刺しているな~アラレちゃん・・・・とか


女の人を見つけると外国のアニメキャラみたいな笑い方で大声で奇声を上げる男の人。

(私もされたので警察に通報した。)

色んな盛りだくさんな人が来ていました。

年齢層としてはおじいちゃん、おばあちゃんが殆どでした。(今のお年寄りは小奇麗で若い)

公園の隣接する一角に地域猫の餌やり場所があり、公園に来た人がボランティアで去勢をしたり暗黙のルールみたいなものがありました。

ある日、猫に餌やりをしている恰幅のいいおじいちゃんと話す様になり、それが日課になっていました。

(公園友達)

その日、ウォーキング知り合いの女の人に「あの、おじいちゃんと話しているの?」聞かれました。

「あの人、奥さんが亡くなって一人でお金持ちみたいね。あなた、若いから狙われているかもね。」言われました。

そう言えば目がなんか・・・ねちっこくてギラギラとしていた様な・・・私は、話せる友達みたいな感じで楽しかったのに残念に思いました。

私は、誤解されても困るのでウォーキングの時間をずらす事にしました。


ある日の日曜日、私は近所のグラタンが美味しいお店にマロン(旦那)と食事に来ていました。

公園のあの恰幅のいいおじいちゃんが斜め向かいの席に女の人と来ていました。

相手の年配の女の人は髪形をバッチリ決めてデートの装いです。

あっ・ああ・・彼女がいたのに、私は狙われていたんだ!と興味深げに見ていると、女の人に見覚えが・・・

その女の人は何十年も前の私の職場の上司でした。

(その当時旦那さんがいた。不倫?)

私は、椅子から転げ落ちそうになりズッコケてしまいました。マロンに「大丈夫?」と言われる始末です。

前の職場の女上司はおじさんにチラシを見せて「これと、これも欲しい!」とねだっていました。


私のズッコケた椅子の音を聞いた恰幅のいいおじいちゃんは何気に振り向いて私に気づいてしまいました。

啞然としたかと思えば何ともばつの悪そうな顔をしてソワソワとしています。

心ここにあらずとはこの事です。冷や汗をかきながらハンカチで拭い、生返事を繰り返しています。

「ねえ、聞いてる?見て!」と元女上司に言われています。


私は、その気などサラサラ無いのに三角関係の登場人物の中に入っているんだ~と苦笑いです。

私に二股を見られてしまった恰幅のいいおじいちゃんは、相変わらずソワソワしています。

おじいちゃんは狙っていた私と毎日話をして「これなら行けるかも?」と思ったのでしょうか?

いい雰囲気だったのに、私にバレてしまい何とも言えない悲壮感が漂っていました。


私はそそくさと食べ終わるとサッサとその場を後にしました。

駐車場に行き、車に乗り込むと

マロンに「私、三角関係は嫌だから、私が身を引く!」と言いたくなりました。

マロンは「はっ?・・・何のこと?・・・」

これまでのいきさつを話すとマロンは笑いながら「世間は狭いねぇ、僕もそんな話しがあるよ!」と語り始めました。


マロンが若かりし頃ある所に就職した時、一日だけの上司がいました。

何故、一日上司だと言うと新人の歓迎会で飲酒運転で捕まり会社を速攻クビになった一日上司がいました。

その上司とは後日談がありました。

マロンは当時、独身だったので遠くの部署に飛ばされてしまいました。

下請けの会社先に(天下り)元一日上司がいたそうです。

マロンを見つけると物陰に連れ込み「飲酒で前の職場を解雇されたことを秘密にしてくれ!」と懇願されたそうです。

マロンは可哀想なので黙っていたそうです。


皆さんも世間は狭いエピソードありませんか?









タグ:世間は狭い
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